みなさん、こんばんは。ともひろです。
今回は日本人の金融資産保有額について書きたいと思います。皆さんは貯金はいくらお持ちでしょうか?
また、世間の人がどれほど貯金を持っているのか気になりませんか?
日本人の保有資産の状況がどうなっているのか把握し、では、どうすれば良いのか考えるきっかけになれば幸いです。
- 世論調査資料の概要
- 日本人の資産は増えている?
- 格差は確実に広がっている?
- 金融資産非保有と回答した世帯
1.家計の金融行動に関する世論調査資料の概要
金融広報中央員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和元年)」によると、日本人の金融資産保有額(二人以上世帯調査)の平均は、1,139万円だそうです。調査に回答した年代は下表のとおりです。ここでいう金融資産というのは貯金、債券、株式等のことを指します。
年代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 | 不明 | 合計 |
回答数 | 48 | 336 | 614 | 671 | 695 | 829 | 29 | 3,222 |
割合 | 1% | 10% | 19% | 21% | 22% | 26% | 1% | 100% |
累積 | 1% | 12% | 31% | 52% | 73% | 99% | 100% | ー |
※小数点の関係で一部数字が合わない箇所があります。
回答されている方の年齢が20代が最も少なく、70代が最も多く、年代に偏りがあります。下の年代から累積させると、50代が真ん中と考えることができるかと思います。そうであれば、平均が1,139万円であることを納得できる方もおられるのかもしれませんが、果たして、この数字が実態を表していると言えるのでしょうか?この平均値と同じ集計データには中央値という数値も記載されています。
中央値というのは、その文字の通り、小さい順から並べた時に中央に位置する値のことを言います。日本人の金融資産の中央値は、419万円だそうです。平均値と中央値との差は、720万円もあります。この差に驚きませんか!?まだ、ピンと来ていない方は、以下をご覧ください。

※家計の金融行動に関する世論調査(令和元年) 調査結果の一括ファイルから抜粋
上図で平均値の1,139万円と中央値の419万円、どちらが実態を表しているか考えてみてください。1,139万円が上位から2番目と3番目の間にあるということがわかるかと思います。
極論すれば、10人中9人が保有資産ゼロ円でも、1人が保有資産1億円あれば、その平均は1,000万円になります。(中央値はゼロ円です。)これでお分かり頂けるかと思います。
この平均値と中央値の金額を比較すると、1,139万円と419万円には約2.7倍の差があるということがわかります。これはあくまで例えばの話ですが、50代で400万円程度の資産では、老後2,000万円問題と言われている世の中で生活していくのに心配になるのではないでしょうか。(いつまでも働き続けることができるのであれば別ですが)
2.日本人の資産は増えている?
同じ調査によると、日本人の保有資産の平均値は、1990年は1,181万円で、2019年は1,537万円となっています。こうしてみると、約30年で資産が平均で300万円以上増えていることになりますが、本当にそうなのでしょうか?
金融資産保有世帯における年間手取り年収(臨時収入を含む)からの貯蓄割合を過去30年前から10年おきに以下の表にまとめてみました。(最新は2019年)
20%未満 | 貯蓄しなかった | |
1990年 | 54.4% | 15.8% |
2000年 | 52.7% | 24.9% |
2010年 | 48.8% | 31.9% |
2019年 | 46.8% | 32.6% |
ご覧の通り、20%未満の貯蓄と回答した人の割合が年々減少し、貯蓄しなかったと回答した人の割合が増えています。この分消費が上向いて景気が上向いていればよいですが、残念ながらこの30年でそのようなことはないかと思いますので、貯蓄できない、あるいは少ししかできない人の割合が増えているものと思われます。
保有資産の平均値が増えているのに、貯蓄できないと答えている割合が増えるということは、その格差が広がっていることを表しているのではないでしょうか。
3.格差は確実に広がっている?
平均値と中央値の話は前半でお話ししましたが、両方の値を用いて差を計算すると、10年経過するごとに差額が広がっています。それを示したのが以下の表です。
平均値ー中央値 | 保有資産 1,000万円未満比率 | 保有資産 2,000万円以上比率 | |
1990年 | 481万円 | 51.0% | 14.3% |
2000年 | 528万円 | 45.5% | 20.9% |
2010年 | 722万円 | 48.6% | 22.0% |
2019年 | 737万円 | 48.9% | 20.3% |
保有資産が1,000万円未満の比率と2,000万円以上の比率を比較して、1990年から2000年に掛けて、1,000万円未満の比率が減っていたり、2,000万円以上の比率が多少増えていたりしますが、そこまで大きな差には思えません。
一方で、平均値と中央値の金額差は確実に大きくなっています。これは、大きく保有資産を持つ人が多くなっているのか、資産が限りなく少ない人が多くなっているのか、この表だけではわかりませんが、いずれにしても保有資産に格差が広がっていることを示しているのではないでしょうか。
日本は1990年代くらいまでは1億総中流社会と言われてきましたが、この10年~20年で明らかに状況は変わってきていると思います。アメリカのような一部のお金持ちと貧乏人というようなレベルではありませんが、少しずつそこに近づきつつあるのではないでしょうか。
4.金融資産非保有と回答した世帯
下表は金融資産非保有と回答した世帯の割合です。
20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70歳以上 |
22.9% | 15.8% | 18.7% | 21.8% | 23.7% | 31.1% |
20代で金融資産非保有というのはわからなくもないですが、70歳代以上で非保有と回答する世帯が30%以上もいることに大変驚きです。高齢者の方々には年金があるのかとは思いますが、それだけで不自由なく生活できている方がどれだけいるのでしょうか。
5.最後に
いかがでしたでしょうか。
資産なくても幸せに暮らせるという方もおられるのかもしれませんが、万が一、不測の事態が起こって大きなお金が必要となったときにどうすれば良いのか困りませんでしょうか。そこで借金してしまうと、利息も含めて返済していなかければいけません。(消費者金融の利息なんて恐ろしいですね。)
いま金融資産がない方も少しずつでもよいので、まずは貯金や預金から始めてみてはいかがでしょうか。収入の一部を天引きで1,000円でも1万円でもいいので別口座に移すことからでも十分かと思います。
いまの日本は格差が広がりつつある時代に位置しています。以前であれば、資産がなくても年金が生活するのに十分な金額でしたが、多くの人にとってこれからはそうはいかないかと思います。(特に若い世代の方にとっては、まだまだ先の話かもしれませんが・・・)
少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメントを残す